労務問題

企業活動は、多数の従業員によって支えられています。どんな企業でも労務問題は、避けることの出来ない課題です。問題が起こる前に、事前の対処をお勧めします。

労働関係各法令の特色

労務問題に適用される労働関係各法令の大きな特色として、強行法規性と刑事罰の適用があることが挙げられます。
したがって、労働基準法に反する合意を労働者との間で行ってもその効力は認められません。また、労働関係各法令に違反すれば、罰則を科せられる場合があります。したがって、企業運営を行う上において、労働関係各法令を遵守することは決して欠かせないものです。
さらに、労働関係各法令のさらなる特色として、労働基準法等の法律の条文だけをみて事案を処理することが困難な点があります。労働法の分野では、法律の解釈や隙間を埋めるものとして、裁判例が非常に重要な役割を果たしているのです。
そのため、問題発生時には法律専門家に相談することが適切な場合が多いといえます。問題が複雑化し深刻な事態となってからでは、手遅れということにもなりかねません。当事務所に、まずは御相談下さい。
労働関係各法令の特色
労働関係各法令の特色
各種社内規定(就業規則等)の整備について
各種社内規定(就業規則等)の整備について

各種社内規定(就業規則等)の整備について

労働関係においては、就業規則等の社内規定が非常に重要な役割を果たしています。
なぜなら、就業規則を定めておくことにより、統一的に、多数に及ぶ従業員の労働条件や職場規律を規律することが可能となるからです。また、懲戒処分をするにあたっても、就業規則に懲戒処分となる事由や懲戒処分の内容をきちんと定めてなければ、のちに懲戒処分の効力が覆されることにもなりかねません。
市販されている就業規則の書式や、改訂せずに従前から使用されている就業規則には、最近の裁判例を踏まえておらず、実際に問題が生じたときに効果を発揮しないものも見受けられます。
当事務所は、貴社の実情に応じた効果的な就業規則等の社内規定の作成をサポートします。

法改正等への対応

労働関係については、これまで、度重なる改正が相次いでなされています。
例えば、平成18年4月に施行された内部告発に関する「公益通報者保護法」や、専門的かつ迅速な労働審判の手続きを定めた「労働審判法」、平成19年11月に成立した「労働契約法」等々です。
また、近時では、平成31年4月に「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)」が順次施行されており、時間外労働の上限規制の導入、有給休暇の年5日取得義務化等がなされています。そして、令和2年4月(中小企業は令和3年4月~)には同一労働同一賃金制度が施行され、同一企業内において正規雇用労働者と非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)の間で不合理な差別を設けることが禁止されました。
さらに、労働施策総合推進法の改正により、職場におけるパワーハラスメント対策が法制化され、事業主にパワーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることを義務付けました(施行は令和2年6月ですが、中小事業主は令和4年4月より義務化)。これと併せて、男女機会均等法、育児・介護休業法により、職場におけるセクシャルハラスメント、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの防止対策も強化され、既に義務付けられている雇用管理上の措置義務の他、相談等をした労働者に対する不利益取扱いの禁止等が規制されています。
裁判例についても、近時重要な判決が相次いで出されています。労務問題への対処には、これらの変化に迅速に応じたアップデートが必要不可欠です。
当事務所にご相談頂ければ、最新の法的知識を備えた適切なアドバイスが可能です。
法改正等への対応
法改正等への対応
残業代請求
残業代請求

残業代請求

従業員との間で問題が起きやすい例として、残業代請求があります。従業員から残業代請求がなされた場合、請求を放置しておくと、労働審判や訴訟を提起されたり、労働基準監督署の調査を受けるなどのトラブルになります。
残業代とは会社の所定労働時間を超える労働時間に対する賃金のことをいいますが、労働時間に該当するか否かは個々の事案によって異なり、裁判例を踏まえた判断が必要です。
また、残業代の計算方法に誤りがないか等吟味し、早期に支払いの有無を判断する必要があります。労働基準法上の「管理監督者」に該当する場合等は残業代が支払われないケースもありますので、まずは、お気軽に御相談ください。

解雇

従業員の解雇は簡単ではなく、対応によってはトラブルに発展する可能性があります。労働契約法16条に規定される「解雇権濫用の法理」によると、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効となります。
勤務態度や労働能力不足等を理由とする普通解雇では、従業員の不行状や能力欠如の程度が著しいといえるか、解雇以外の方法で解決しようとしたかなどの経緯も重要な考慮要素となります。
また、重大な非違行為等を理由とする懲戒解雇に該当する場合であっても、懲戒解雇は労働者にとって退職金の不支給等不利益が大きいことから、事前の手続きが適切になされたかなどを考慮し、特に慎重に判断する必要があります。
会社側の経営上の事情を解雇理由とする場合にも、容易に解雇が認められるわけではなく、整理解雇として、①解雇の必要性、②解雇回避の努力の有無、③人選の合理性、④手続きの相当性などの要素を総合考慮した上で判断されます。
解雇が有効となるかは事前に慎重な検討が重要となり、裁判例に照らした判断が必要となります。早めに弁護士に御相談ください。
解雇
解雇

その他 労務問題

労務問題には、従業員の採用から退職に至るまで多種多様な問題があり、これらの解決には専門家からみた法的対応が必要です。加えて、労務問題は、長期に及ぶ労使間の関係を経たうえで発生する場合が多く、法的観点を踏まえて事にあたらないと、感情のもつれ等から事案がこじれたときに取り返しのつかないことになりかねません。まずは、お気軽に御相談下さい。

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